京都の四条河原町を歩いていると、風格のある店構えが目に飛び込んでくることがあります。
それが今回ご紹介する「永楽屋」さんです。
甘いものと辛いもの、両方を扱う珍しい老舗として、地元の京都人からも観光客からも長く愛され続けているお店なんです。
今回は、そんな永楽屋さんの魅力と、夏にしか出会えない幻のドリンク「水あずき」について、じっくりとご紹介していきたいと思います。
観光でこれから京都を訪れる方にもわかりやすいように、お店の基本情報からお得な裏ワザまで、丁寧にまとめてみましたので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

永楽屋ってどんなお店?
永楽屋は、昭和21年、西暦でいうと1946年に、現在も本店を構える四条河原町の地で創業しました。
戦後まもない、食の楽しみが少なかった時代に、身近な食材を使っていかに人々の心を満たすかを考え抜いて生まれたお店なんだそうです。
そんな歴史を知ると、一つ一つの商品にこもった想いがより感じられる気がしますよね。
永楽屋さんの大きな特徴は、京菓子のような「あまいもの」と、京佃煮のような「からいもの」の両方を扱っていることです。
甘い和菓子屋さんと、しょっぱい佃煮屋さんが同じ屋根の下にあるというのは、実は全国的にもかなり珍しいスタイルなんですよ。
日本人の食生活に欠かせない「お米」と「お茶」、その両方に寄り添う商品を届けたいという想いから、このような形になったといわれています。
看板商品としては、素材を美しく閉じ込めた琥珀色の和菓子「琥珀」や、佃煮の代表格である「一と口椎茸」が特に人気です。
琥珀は見た目も涼やかで美しいので、女性へのお土産やちょっとしたギフトにもぴったりですよ。
一と口椎茸は、ご飯のお供にはもちろん、お酒のつまみとしても重宝する一品です。

永楽屋の店舗情報をチェックしよう
永楽屋さんは、京都市内にいくつかの店舗を構えています。
まず基本となるのが、四条河原町にある本店です。
本店の奥にある階段を上がると、2階には永楽屋が直営する喫茶室があります。
木造建築ならではの高い天井を活かした吹き抜けの空間で、抹茶パフェやできたてのわらび餅などをゆっくりと味わうことができるんです。
観光で歩き疲れたときの休憩スポットとしても、とてもおすすめですよ。
そしてもう一つ、今回の主役である「水あずき」を販売しているのが室町店です。
室町店は、京都の呉服屋筋として知られる室町通に位置していて、祇園祭の山鉾のひとつ「鯉山」の山町にあります。
住所は京都市中京区室町通蛸薬師上る西側です。
普段は落ち着いた佇まいのお店ですが、7月に入ると祇園祭のしつらいで一気に華やかになります。
このほかにも、京都山科にある本社工場の直売店や、高島屋京都店、大丸京都店にも店舗があります。
山科の直売店は、本社と工場がある場所にひっそりと構えられていて、地元の方々に長く親しまれている穴場スポットでもあります。
観光客の方はあまり足を運ばないエリアですが、ゆっくりお買い物をしたい方にはおすすめの店舗ですよ。
祇園祭の名物「水あずき」って何?
さて、ここからが今回の本題です。
永楽屋の室町店で、祇園祭の時期だけ販売される幻のドリンク、それが「水あずき」です。
一言でいうと、「飲む水羊羹」と称される、あんこのドリンクなんです。
見た目はまるで氷が入っているようにも見えるのですが、実は氷は一切使われていません。
もし氷を入れてしまうと、せっかくの絶妙な濃度に仕上げたあんこが薄まってしまうからなんだそうです。
その代わりに入っているのが、ふるふると揺れる寒天です。
冷たいお汁粉よりもさらりとした液状のこしあんの中に、寒天とゼリーのダブルの食感が加えられていて、太めのストローを通してつるんと喉を通っていきます。
この不思議な喉越しは、一度体験すると忘れられないという方も多いんですよ。
暑い京都の夏、汗だくで山鉾巡りをした後に、この水あずきを一口飲むと、まさに生き返るような心地よさを感じられます。

水あずきが生まれた理由
水あずきは、「山鉾巡りのお供にぴったりの和のドリンクを届けたい」というコンセプトのもとに生まれました。
浴衣で出かけることも多い祇園祭の期間中、歩きながら片手でカジュアルに楽しめる和のドリンクとして考案されたそうです。
こぼして浴衣を汚してしまう心配が少ないのも、うれしいポイントですよね。
販売が始まってから少しずつ人気が広がり、今では祇園祭の時期に欠かせない名物ドリンクとして、多くのファンに親しまれるようになりました。
実は水あずきには、夏季限定で販売されている「本生水羊羹」という商品の配合がベースになっています。
食べる水羊羹をもとに、飲み物としてちょうどよい甘さになるよう調整されているんです。
さらに、2種類の水羊羹をブレンドすることで、より奥深い味わいに仕上げられています。
こっそり教えます、水あずきの隠し味
実はこの水あずき、あるお店の方の証言によると、ほんの少しだけ練乳が加えられているそうなんです。
言われなければ気づかないくらいのわずかな量なのですが、この隠し味が小豆本来の風味をぐっと引き立てているのだとか。
あっさりとしているのに、しっかりとしたコクを感じられるのは、この練乳のおかげなのかもしれませんね。
あんこの甘さがちょっと苦手という方でも、いくらでも飲めてしまうと感じる方が多いようです。
小豆には夏バテを予防する効果もあるといわれていますので、暑さで食欲が落ちがちな京都の夏にはぴったりの一杯といえそうです。
水あずきの販売期間と購入場所
水あずきが販売されるのは、毎年、祇園祭の前祭と後祭のシーズンに合わせた期間限定です。
例年ですと、7月中旬から下旬にかけて、前祭の宵山前後と後祭の宵山前後の期間に分けて販売されることが多いです。
途中に休業日が挟まれることもあるので、訪れる前には必ず最新の販売スケジュールを確認しておくのが安心です。
大切なポイントとして、水あずきが購入できるのは室町店限定です。
本店やその他の店舗では販売されていませんので、間違えて本店に向かってしまわないよう注意してくださいね。
なお、販売期間や時間は年によって変わることがあるため、訪問前には永楽屋さんの公式サイトや公式SNSアカウントで最新情報をチェックするのが確実です。
2026年の販売期間は7月13日〜24日です。
18日は買えませんので注意して下さいね。

観光客にうれしい、水あずきの楽しみ方
水あずきを購入すると、お店の前に用意されているベンチに座っていただくことができます。
炎天下の中、山鉾巡りで疲れた体をひと休みさせながら、ゆったりと味わえるのがうれしいポイントです。
後祭の期間中には、永楽屋本店のすぐ目の前に山鉾「鯉山」が建てられます。
風情ある鯉山を眺めながら水あずきを楽しむのも、この時期ならではの贅沢な過ごし方ですよ。
祇園祭は7月いっぱい、1か月にわたってさまざまな神事や行事が行われる長いお祭りです。
その中でも、水あずきが飲めるのはほんの短い期間だけですので、逃してしまうと1年間待たなければならない、なんとも罪作りな存在なんです。
知っておきたい裏ワザとお得情報
ここからは、実際に永楽屋さんや水あずきを楽しむうえで、知っておくと便利な裏ワザやお得情報をまとめてご紹介します。
1. 支払いは現金のみ、小銭を用意しておこう
水あずきの販売コーナーでは、現金のみの取り扱いとなっていることが多いです。
観光で財布に小銭が少ない、という方は、事前にコンビニなどで両替や小銭を準備しておくとスムーズに購入できますよ。
2. 売り切れ次第終了、狙うなら午前中がおすすめ
水あずきは大変な人気商品のため、なくなり次第その日の販売は終了となります。
夕方になると売り切れてしまっていることも珍しくありません。
確実に味わいたい方は、お店が開く午前中の早い時間帯を狙って訪れるのがおすすめです。
3. 混雑を避けたいなら平日の午前中を狙う
祇園祭の宵山期間中は特に混雑しやすいため、行列を避けたい方は、宵山の日程からは少しずらした平日の午前中を狙うと、比較的スムーズに購入できる可能性が高くなります。
4. 佃煮のお土産は祇園祭限定パッケージが狙い目
祇園祭の時期には、鉾の形をした特別なパッケージに入った佃煮も販売されています。
見た目にも京都らしく、祇園祭の思い出を形に残せるお土産として、観光客の方にとても喜ばれています。
5. 山科の直売店なら、ゆったりお買い物ができる
観光客が集中する中心部の店舗に対して、京都山科にある本社直売店は比較的落ち着いた雰囲気でお買い物ができます。
本社前の道が「永楽屋通り」と呼ばれるほど地元に根づいたお店なので、ゆっくり派の方にはこちらもおすすめです。
6. 本店の喫茶室も要チェック
水あずきの時期でなくても、本店2階の喫茶室では抹茶パフェやわらび餅などの甘味を一年を通して楽しむことができます。
祇園祭のシーズン以外に京都を訪れる方は、こちらの喫茶室を目的地にしてみるのも良い選択肢ですよ。
7. 最新情報は公式SNSでチェックするのが確実
販売期間や営業時間は年によって細かく変わることがあります。
出発前には、永楽屋さんの公式サイトや公式インスタグラム、公式Xアカウントで最新のお知らせを確認しておくと安心です。
現地に着いてから「今日はお休みだった」とがっかりすることがないよう、事前チェックを習慣にしてみてくださいね。
まとめ
永楽屋さんは、甘いものと辛いもの、両方の魅力が詰まった京都の老舗です。
創業から70年以上にわたって、京都の人々の暮らしに寄り添いながら、丁寧なものづくりを続けてきました。
そんな永楽屋さんが、夏の短い期間だけ届けてくれる「水あずき」は、まさに京都の夏を象徴する一杯といえます。
飲む水羊羹という独特の食感、あっさりとした上品な甘さ、そしてほんのり香る練乳の隠し味。
一度飲むと、また来年も飲みたくなってしまう、そんな不思議な魅力を持ったドリンクです。
祇園祭で京都を訪れる予定がある方は、ぜひ室町店に立ち寄って、この季節限定の味わいを体験してみてくださいね。
そして、佃煮や琥珀などの定番商品もあわせてチェックすれば、京都らしいお土産選びもきっと楽しくなるはずです。
暑い京都の夏を、永楽屋さんの水あずきで、ひんやりと涼やかに楽しんでみてはいかがでしょうか。
店舗情報
・永楽屋 本店:京都市中京区河原町通四条上る東側
・永楽屋 室町店(水あずき販売店舗):京都市中京区室町通蛸薬師上る西側
・営業時間や定休日、水あずきの販売期間は年によって変動するため、訪問前に公式サイトや公式SNSでの確認をおすすめします。

