京都に旅行するなら、絶対に外せない甘味処があります。
それが、北野天満宮の門前にひっそりと佇む「粟餅所 澤屋(あわもちどころ さわや)」です。
江戸時代から300年以上、ただひたすらに「粟餅」だけを作り続けてきた、京都でも屈指の老舗和菓子店。
観光ガイドブックにもよく登場するので、名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、澤屋さんの基本情報からアクセス方法、実際に訪れた際に役立つ裏ワザやお得情報まで、初めて訪れる観光客の方にもわかりやすいように、丁寧にご紹介していきます。
読み終わる頃には、きっと「今すぐ食べに行きたい」という気持ちになっているはずです。

粟餅所 澤屋ってどんなお店?
まずは、澤屋さんがどんなお店なのか、基本情報から見ていきましょう。
基本情報(住所・営業時間・定休日)
お店の情報は、次の通りです。
- 店名:粟餅所 澤屋(あわもちどころ さわや)
- 住所:京都市上京区今小路通御前西入紙屋川町838-7(北野天満宮前西入南側)
- 電話番号:075-461-4517
- 営業時間:9:00~17:00(16:30以降は売り切れ次第終了)
- 定休日:水曜日、木曜日、毎月26日(25日が日曜・祝日と重なる場合は営業日が変動することもあります)
- 支払い方法:現金のみ
営業時間は9時から17時までとなっていますが、人気商品のため16時半を過ぎると売り切れてしまうことも珍しくありません。
確実に味わいたいなら、午前中、できれば開店直後の時間帯を狙うのがおすすめです。
また、定休日は水曜日、木曜日と毎月26日ですが、月によって変動することもあるので、訪問前には念のため確認しておくと安心です。
そして意外と見落としがちなのが、支払いは現金のみという点です。
キャッシュレス決済に慣れている方は、事前に小銭やお札を用意しておきましょう。
お店の歴史
澤屋さんの歴史は、実に江戸時代までさかのぼります。
天和2年(1682年)、五代将軍・徳川綱吉の時代に、北野天満宮の茶店として創業しました。
初代の澤屋典惣兵衛(さわやてんそうべえ)が、洛西・嵯峨野で収穫された粟を使って餅を作り、参拝客に振る舞ったのが始まりだと伝えられています。
それから340年以上もの間、粟餅一筋で商いを続けてきたというのですから、驚くばかりです。
現在は13代目のご主人が暖簾を守り、次の14代目となるご子息と二人三脚で、日々粟餅を作り続けています。
きな粉担当とあんこ担当に分かれて手際よく仕上げていく親子の連携も、澤屋さんならではの見どころのひとつです。
長い歴史を持ちながらも、今なお変わらぬ製法と味を守り続けている。
そんな職人の心意気が、この小さなお店にはぎゅっと詰まっています。
粟餅(あわもち)とは、そもそもどんな食べ物?
「粟餅」と聞いても、ピンとこない方も多いかもしれません。
普段私たちが「お餅」と聞いてイメージするのは、もち米で作られたものですよね。
しかし澤屋さんの粟餅は、その名の通り「粟(あわ)」という穀物を使って作られています。
粟は、稲よりも早く日本に伝わったとされる穀物で、縄文時代にはすでに栽培されていたという、日本最古の農作物のひとつです。
かつては米やヒエと並んで、庶民の暮らしを支える大切な主食でした。
しかし第二次世界大戦以降、粟を栽培する農家は急激に減少し、今ではとても希少な穀物になっています。
澤屋さんでは、遠く四国や九州の契約農家から粟を仕入れているそうです。
味わいとしては、もち米のお餅よりも軽やかで、しっとりとやわらかく、あっさりとした後味が特徴です。
プチプチとした独特の食感も、もち米のお餅にはない魅力のひとつ。
栄養面でも優れていて、糖質やたんぱく質に加えて、ビタミンB群や鉄分、食物繊維も豊富に含まれているといわれています。
素朴でありながら奥深い、まさに京都の門前菓子にふさわしい味わいです。
メニューと値段
続いて、気になるメニューと価格をご紹介します。
澤屋さんの粟餅は、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、なめらかなこし餡で包んだタイプ。
もうひとつは、香ばしいきな粉をたっぷりとまぶしたタイプです。
どちらも甘さは控えめに仕上げられていて、粟餅本来の風味を引き立てるように作られています。
イートインの場合
店内でいただく場合は、3個からの注文となります。
- 紅梅(べにうめ):3個(こし餡2個+きな粉1個)750円(税込)
- 白梅(しらうめ):5個(こし餡3個+きな粉2個)1,000円(税込)
- お抹茶付きにする場合は、プラス400円
なお、イートインの場合は一人につき必ず1セットの注文が必要です。
グループで訪れる際は、人数分の注文が必要になる点に注意しましょう。
テイクアウトの場合
持ち帰りの場合は、5個入りから35個入りまで、7種類のサイズから選ぶことができます。
こし餡ときな粉の比率も、自分の好みに合わせて調整できるのがうれしいポイントです。
価格の目安としては、5個入りでおよそ1,000円前後、10個入りで1,700円前後となっています。
大人数へのお土産にする場合は、多めのサイズを選ぶと安心です。
実際にお店を訪れてみると
澤屋さんの店内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、年季の入った趣ある佇まいです。
まさに「門前茶屋」といった風情が漂っていて、タイムスリップしたような気分になります。
注文が入ると、職人さんがその場で手際よく粟餅を仕上げてくれます。
お店の奥からは、トントントンと粟餅を杵でつく音が絶えず聞こえてきて、なんとも風流な雰囲気です。
澤屋さんでは、粟餅の作り置きは一切しません。
必要な分だけを、少しずつその都度ついているのです。
一臼で400個から500個ほどの粟餅を、およそ1時間かけてつくといいます。
お客さんが多い日には、これを一日に何度も繰り返すそうです。
特に毎月25日、北野天満宮で開催される「天神さんの縁日」の日には、朝から晩まで杵をつく音が絶えないのだとか。
きな粉も、国産大豆を店内で煎りたて・挽きたてのものを使っているというこだわりよう。
できたての粟餅は、ほんのりと温かく、粟のプチプチとした食感がなんとも心地よい味わいです。
甘さ控えめの上品なこし餡と、香ばしいきな粉。
どちらも粟餅の風味を引き立てる、絶妙な組み合わせになっています。
一口食べれば、340年もの間、多くの参拝客に愛され続けてきた理由が、きっと理解できるはずです。
アクセス方法
澤屋さんは、学問の神様として知られる北野天満宮のすぐ目の前にあります。
京都駅から向かう場合、いくつかの方法があります。
市バスを利用する場合
- 市バス10号系統「北野天満宮・御室・山越」行き(京都駅から約28分)
- 市バス51号系統「北野天満宮・立命館大学」行き(京都駅から約27分)
どちらも「北野天満宮前」バス停で下車すれば、目の前がお店です。
タクシーを利用する場合
京都駅からタクシーを利用する場合、所要時間はおよそ20〜30分ほど。
荷物が多い方や、効率よく移動したい方には便利な選択肢です。
電車を利用する場合
京福電鉄(嵐電)の北野白梅町駅からは、徒歩でおよそ10分ほどの距離です。
嵐山方面から観光する場合は、この電車ルートを使うとスムーズに立ち寄ることができます。
北野天満宮は梅や紅葉の名所としても知られているので、参拝や観光と合わせて訪れるのがおすすめです。
混雑状況と、行列を避けるための裏ワザ
澤屋さんは非常に人気が高いお店なので、時間帯によっては行列ができることも珍しくありません。
特に週末や、北野天満宮の縁日である毎月25日の「天神さんの日」は、多くの参拝客で賑わうため、混雑しやすくなります。
ここで、少しでもスムーズに粟餅を味わうための裏ワザをいくつかご紹介します。
裏ワザ1:開店直後の時間帯を狙う
一番のおすすめは、開店時間である9時前後を狙って訪れることです。
午前中の早い時間帯は比較的空いていることが多く、行列も短めの傾向があります。
また、人気商品なので夕方に近づくほど売り切れのリスクが高まります。
確実に味わいたいなら、朝一番の来店が最も安心です。
裏ワザ2:イートインとテイクアウトの列は同じでも、内容は違う
お店の外に並んでいる行列を見ると、イートインとテイクアウトの両方が混ざっていることがあります。
一見長い行列に見えても、実際にはテイクアウトのお客さんが多く、思ったよりも早く順番が回ってくることも少なくありません。
「行列が長いから」とあきらめずに、まずは並んでみる価値は十分にあります。
裏ワザ3:天神さんの日(25日)は特に混み合う
毎月25日は、北野天満宮の縁日「天神さんの日」にあたり、境内周辺に露店が並び、多くの参拝者で賑わいます。
この日は澤屋さんも一段と混雑するため、のんびり味わいたい方は、この日を避けて訪れるのもひとつの方法です。
逆に、賑やかな縁日の雰囲気も一緒に楽しみたいという方には、あえてこの日を狙うのもおすすめです。
裏ワザ4(お得情報):硬くなった粟餅は「即席お汁粉」にできる
これは知る人ぞ知る、澤屋さんならではのお得情報です。
粟餅の賞味期限は購入した当日限りとされていますが、もし食べきれずに硬くなってしまった場合の裏ワザがあります。
こし餡の粟餅が硬くなってしまったときは、適量のお湯と砂糖を加えて軽く煮ることで、粟餅入りの即席お汁粉として楽しむことができるそうです。
お店の方が実際に教えてくれるアレンジ方法なので、多めに買ってしまった時にはぜひ試してみてください。
裏ワザ5:夏季限定「粟餅氷」を狙う
澤屋さんでは、夏の暑い時期限定で「粟餅氷」というかき氷を提供することがあります。
かき氷が最も美味しく仕上がる時期にしか作られない、まさに季節限定のお楽しみです。
夏に京都を訪れる予定がある方は、事前に営業状況を確認してから訪れると、思いがけない出会いがあるかもしれません。
現金払いのみなので事前準備を
すでにお伝えした通り、澤屋さんでは現金のみの支払いとなっています。
キャッシュレス決済に慣れている方ほど見落としがちなポイントなので、事前に小銭やお札を用意しておくと、スムーズに会計を済ませることができます。
黙食が基本のマナー
イートインを利用する場合、店内では黙って食べる「黙食」が原則とされています。
静かで落ち着いた雰囲気の中で、出来立ての粟餅をじっくりと味わう時間を大切にしているお店です。
小さなお子様連れの場合は、周囲への配慮としてテイクアウトを選び、ホテルや公園など落ち着ける場所で味わうのもひとつの方法です。
澤屋さんと合わせて楽しみたい周辺スポット
せっかく北野天満宮まで足を運ぶなら、周辺の見どころも一緒に楽しみたいところです。
北野天満宮
学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社で、受験生を中心に全国から多くの参拝者が訪れます。
境内は梅の名所としても知られており、早春には可憐な紅白の梅が咲き誇ります。
毎月25日には「天神さんの市」が開催され、境内周辺に多くの露店が並び、賑やかな雰囲気を楽しむことができます。

長五郎餅
北野天満宮の境内すぐ裏手には、「長五郎餅」という、もうひとつの名物餅菓子のお店があります。
澤屋さんの粟餅と食べ比べてみるのも、京都ならではの楽しみ方のひとつです。
老松
北野天満宮から徒歩5分ほどの場所には、和菓子の老舗「老松」もあります。
季節ごとに趣向を凝らした上生菓子が並び、こちらもあわせて訪れる価値のあるお店です。
京都の寺社めぐりでは、下鴨神社の「みたらし団子」や今宮神社の「あぶり餅」のように、参拝と甘味がセットになっている場所が多くあります。
澤屋さんの粟餅も、まさにそうした京都らしい門前菓子文化を今に伝える存在といえるでしょう。
まとめ
粟餅所 澤屋は、340年以上にわたって粟餅一筋に商いを続けてきた、京都でも屈指の老舗和菓子店です。
作り置きをせず、注文が入るたびにその場で仕上げる出来立ての味わいは、実際に足を運んでこそ体感できる魅力があります。
営業時間や定休日、支払い方法など、事前に知っておくとスムーズに楽しめるポイントがいくつもあります。
- 開店直後の午前中を狙うと行列を避けやすい
- 支払いは現金のみなので事前準備が必要
- 硬くなった粟餅はお汁粉にアレンジできる
- 夏季限定の粟餅氷にも注目
- 25日の天神さんの日は特に混雑しやすい
北野天満宮を参拝した際には、ぜひ澤屋さんに立ち寄って、340年の歴史が育んだ素朴で奥深い粟餅の味わいを体験してみてください。
きっと、京都旅行の忘れられない思い出のひとつになるはずです。
