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祇園祭の粽(ちまき)完全ガイド|ご利益一覧・値段・買い方から裏ワザまで徹底解説


京都の夏を彩る祇園祭。

その祇園祭で、多くの観光客の方が「あれ、玄関先に飾ってあるあの笹の束は何だろう?」と気になったことがあるのではないでしょうか。

実はあれ、「粽(ちまき)」と呼ばれる厄除けのお守りなんです。

食べ物の粽をイメージしていた方には驚きかもしれませんが、祇園祭の粽は食べられません。

今回は、京都に何度も足を運んでいる筆者が、祇園祭の粽について、由来からご利益、買い方のコツ、そして知る人ぞ知る裏ワザまで、たっぷりとご紹介していきます。

初めて祇園祭を訪れる方にもわかりやすいように、ひとつずつ丁寧にお話ししていきますね。

そもそも粽ってなに?食べ物じゃないの?

まず気になるのが、粽の正体だと思います。

祇園祭で授与される粽は、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りのことです。

中に食べ物が入っているわけではなく、藁を芯にして笹の葉で包み、イグサで巻いてとめたものを束ねた、いわば「お守り」なんですね。

京都の街を歩いていると、一般家庭の玄関やお店の前、会社の入り口などに吊るされている光景をよく見かけます。

これは、疫病や災いが家の中に入ってこないようにという願いが込められているからです。

「ほどいたら中からお餅が出てくるのかな」と勘違いされる方も時々いらっしゃいますが、中からは何も出てきませんので、間違えて開けてしまわないよう注意してくださいね。

粽の由来|蘇民将来の伝説

なぜ祇園祭で粽が授与されるようになったのか、その由来をご紹介します。

八坂神社の祭神であるスサノオノミコトが、旅の途中で宿に困ってしまったことがありました。

そのとき、貧しいながらも心を込めて手厚くもてなしてくれたのが、蘇民将来(そみんしょうらい)という人物でした。

スサノオノミコトはそのおもてなしに感謝し、蘇民将来の子孫に対して、代々災厄から守ることを約束したと伝えられています。

その目印として、茅(ち)を巻いて輪にしたものを身につけるようにと言われたことから、「茅巻き」という言葉が生まれました。

これが同じ発音の「粽(ちまき)」に転じて、今のような束状のお守りになったのです。

粽には「蘇民将来子孫也」と書かれた紙がついていることが多いのですが、これは「私は蘇民将来の子孫です。だから病気や災いから守ってください」という意味が込められています。

もともと祇園祭自体が、平安京で流行した疫病や災いを鎮めるための御霊会という儀式に由来しているので、粽の存在にも祭りの原点が息づいているんですね。

ちなみに毎年6月30日には、京都のあちこちの神社で「夏越祓(なごしのはらい)」という、大きな茅の輪をくぐって厄払いをする行事が行われます。

これも蘇民将来の言い伝えに由来しているもので、祇園祭でも最終日の7月31日に八坂神社で同様の神事が行われます。

粽はどこで買えるの?販売期間と値段の目安

粽は、山鉾巡行を行う各山鉾町の会所(かいしょ)で購入することができます。

八坂神社でも粽が授与されていて、こちらは7月1日から31日までと比較的長い期間販売されています。

一方、各山鉾町の会所での販売は、宵山期間である7月14日から16日の3日間が中心です。

前祭の山鉾は13日か14日ごろから16日まで、後祭の山鉾は21日ごろから23日まで販売されることが多いのですが、年によって多少前後することもあるので、現地の掲示やSNSで確認しておくと安心です。

値段は山鉾によって差がありますが、だいたい700円から1,300円程度が相場です。

粽だけでなく、手ぬぐいやお守り、絵馬、扇子などがセットになっている授与品もあり、デザインもそれぞれの山鉾ごとに個性豊かです。

小判のお守りがついていたり、可愛らしい梅や桜の花飾りがついていたりと、集める楽しみもありますよ。

山鉾ごとのご利益一覧|自分にぴったりの粽を見つけよう

祇園祭の山鉾は、前祭と後祭を合わせて全部で34基あります。

すべての粽に共通して厄除け・疫病除けのご利益がありますが、それに加えて、それぞれの山鉾の由来にちなんだ独自のご利益があるのが面白いところです。

ここでは代表的な山鉾のご利益をご紹介しますので、ぜひ自分の願い事に合った粽を選んでみてください。

長刀鉾(なぎなたほこ)

前祭の巡行で必ず先頭を行く、くじ取らずの鉾です。

鉾先の長刀には疫病邪悪を祓う意味が込められていることから、厄除け・疫病除けのご利益があります。

祇園祭で一番人気の粽としても知られていて、購入には長い行列ができることもしばしばです。

菊水鉾(きくすいほこ)

町内にあった菊水井にちなんだ鉾です。

中国の故事「菊の葉から滴る露を飲んで長寿を得た」という言い伝えから、不老長寿のご利益があるとされています。

さらに、かつてこの場所に夷社が祀られていたことから、商売繁盛のご利益も併せ持っています。

保昌山(ほうしょうやま)

応仁の乱以前からある歴史ある山で、平安時代の恋物語にちなんでいることから、縁結びのご利益があるとされています。

カップルでお揃いで持てるお守りも用意されていて、女性からの人気が高い山です。

芦刈山(あしかりやま)

大和物語の「芦刈」を題材にした山で、貧しさゆえに離ればなれになった夫婦が、やがて再会を果たすという物語にちなんでいます。

そのため、夫婦円満・縁結びのご利益があるとされています。

鯉山(こいやま)

後祭の山鉾で、鯉の滝登りを表現していることから、出世・開運のご利益があるとされています。

登竜門の故事にもちなんでいて、仕事や勉強で頑張りたい方に選ばれることが多い山です。

太子山(たいしやま)

御祭神が聖徳太子であることから、知恵・学問成就のご利益があります。

受験生や資格試験を控えている方へのお土産としても喜ばれそうですね。

油天神山(あぶらてんじんやま)

学問の神様として知られる菅原道真公を祀っていることから、こちらも学問成就のご利益があります。

孟宗山(もうそうやま)

「筍山(たけのこやま)」とも呼ばれ、病気の母のために真冬に筍を掘り当てた孟宗という人物の孝行にちなんでいます。

そのため、親孝行のご利益があるとされています。

伯牙山(はくがやま)

琴の名手であった伯牙が、親友を失った悲しみから琴の弦を断ち切ろうとする姿を表現した山です。

このことから、技芸向上のご利益があるとされています。

創作活動や芸事に携わっている方に人気があります。

役行者山(えんのぎょうじゃやま)

疫病除け・交通安全に加えて、安産のご利益もあるとされています。

会所では、粽になる前の茅の輪も授与されていて、実際に茅の輪くぐりを体験できることもあります。

郭巨山(かっきょやま)

金運開運の小判のお守りが添えられていて、金運・商売運のご利益があるとされています。

木賊山(とくさやま)

老翁が別れた我が子を思いながら舞う場面を表現した山で、お守りは「迷子避け」として親しまれています。

小さなお子さん連れの方に選ばれることが多いお守りです。

鶏鉾(にわとりほこ)

16世紀ベルギー製のタペストリーが飾られていることでも有名な鉾で、装飾の美しさに定評があります。

このように、山鉾ごとにご利益がまったく違うので、自分や大切な人の願いに合わせて選ぶ楽しみがあるんですね。

厄除け・疫病除けはどの粽にも共通しているご利益なので、まずは気になるデザインや由来から選んでみるのもおすすめです。

粽を買うと鉾に上れることも

粽を購入すると、そのまま山鉾に上らせてもらえることがあるのをご存じでしょうか。

山鉾によっては、粽の購入や拝観料の支払いによって、懸装品を間近で見学したり、実際に鉾の内部に上ったりすることができます。

ただし、女性は搭乗できない鉾もあるため、事前に確認しておくと安心です。

会所の2階までなら入場できるところも多いので、係の方に聞いてみるとよいでしょう。

粽の飾り方|正しい飾り場所とマンションでの工夫

購入した粽は、疫病や災いが家の中に入ってこないようにという目印として、本来は玄関の外側、軒下などに飾るのが基本です。

京都の町家や一軒家では、玄関の外にそのまま吊るしている光景がよく見られます。

とはいえ、マンションにお住まいの場合、玄関の外側は共用部分になってしまうことが多いので、玄関ドアの内側に飾るのがおすすめです。

粽本体は、神社でいただくお守りと同じくらい神聖なものとして扱いたいので、直接釘を打ち込んで固定するのは避けましょう。

壁紙に傷をつけたくない場合は、粘着テープ付きの小さなピンやフックにひっかけて、神棚のようになるべく高い位置に飾るとよいですよ。

ウォールシェルフを使って飾るのもおすすめの方法で、壁への負担も少なく済みます。

飾った粽は1年間そのままにしておき、翌年の祇園祭のタイミングで新しいものと交換するのが習わしです。

古くなった粽は、八坂神社に納めるとよいとされています。

知っておきたい裏ワザ・お得情報

ここからは、祇園祭で粽をお得に、そして賢く手に入れるための裏ワザをご紹介します。

1. 狙いの粽は宵々々山までに購入する

人気の高い長刀鉾の粽など、狙っている粽がある場合は、宵山(7月16日)当日ではなく、宵々々山(7月14日)やそれ以前のタイミングで訪れるのがおすすめです。

特に「山一番」を引き当てた山鉾は、その年の巡行順のトップを引いた縁起の良さにあやかりたい人が殺到するため、あっという間に売り切れてしまうことがあります。

2. 混雑を避けたいなら後祭を狙う

前祭は屋台が並び歩行者天国になるため大変な賑わいになりますが、後祭は大がかりな屋台が出ない分、比較的ゆったりと見て回ることができます。

山鉾の数も前祭より少ないため、午後からでも全部を回りきれることが多く、混雑が苦手な方には後祭がおすすめです。

3. 夕方までに授与品を購入しておく

前祭の宵山の夜は、歩行者天国が始まると四条通りや烏丸通り、新町通りなどが大変な混雑になります。

ゆっくり選びたい場合は、混雑が本格化する前の夕方までに授与品を購入しておくのが賢い選択です。

4. 持ち運びに便利なミニ粽ストラップも活用する

大きな粽は自宅に飾るには最適ですが、旅行中の持ち運びには少しかさばってしまいます。

浄妙山や菊水鉾などでは、粽の意匠を取り入れたストラップタイプのお守りも扱われているので、コンパクトなお土産を探している方はチェックしてみてください。

5. オンライン購入という選択肢もある

近年は、山鉾町によってインターネット経由で粽を購入できるところも出てきています。

現地での行列に並ぶ時間が取りにくい方や、遠方から祇園祭を応援したい方には便利な方法です。

6. 御朱印集めと組み合わせて楽しむ

各山鉾では個性的な御朱印も授与されていることが多いので、粽選びと合わせて御朱印巡りをするのもおすすめです。

自分が授かりたいご利益の山鉾を回りながら、御朱印帳にその記録を残していくのも、祇園祭ならではの楽しみ方のひとつです。

7. 粽以外の授与品にも注目する

粽だけでなく、手ぬぐいや扇子、絵馬、うちわなども各山鉾で扱われています。

粽はかさばるので持ち帰りが難しいという方は、コンパクトな手ぬぐいや扇子をお土産に選ぶのもよい方法です。

粽選びに迷ったら|願い事別おすすめ山鉾

最後に、願い事別におすすめの山鉾を簡単にまとめておきますね。

  • 恋愛・縁結びを願うなら:保昌山、芦刈山
  • 学業成就を願うなら:太子山、油天神山
  • 商売繁盛・金運を願うなら:菊水鉾、郭巨山
  • 出世・開運を願うなら:鯉山
  • 安産を願うなら:役行者山
  • 技芸・仕事の上達を願うなら:伯牙山
  • 親孝行・家族円満を願うなら:孟宗山
  • 迷子除け・子どもの安全を願うなら:木賊山

このように、自分や大切な人の願いにぴったり合う山鉾を見つけて回るのも、祇園祭の醍醐味です。

おわりに

祇園祭の粽は、単なるお土産ではなく、平安時代から続く疫病除けの祈りが込められた、京都の人々にとって大切なお守りです。

一基一基の山鉾に、それぞれ違う物語とご利益が宿っているので、巡りながら自分に合った粽を探すのは、祇園祭ならではの特別な体験になるはずです。

初めて京都を訪れる方も、何度も通っている方も、今年はぜひ自分の願い事に合わせた粽を探しに、山鉾町を歩いてみてください。

きっと、いつもとは違う視点で祇園祭を楽しめるはずです。

京都の夏の思い出として、素敵な粽との出会いがありますように。

京たび

こんにちは!
京都生まれの京都育ち。
現在も大好きな京都で生活をしています。

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